ひざの痛み
中高年の膝痛の主な原因は、「変形性膝関節症」
加齢や過度な運動によって、膝の変形が進む病気です。「年のせい」とあきらめて放置すると、痛みが徐々に増強し、さらに歩かなくなることで、ロコモティブシンドロームやメタボリックシンドロームなどを併発する恐れもあります。変形性膝関節症と診断されても、その原因や程度も人それぞれ。まずは確かな検査を受け原因を確認、理解し、自分の症状、程度にふさわしい治療を受ければ、ほとんどの方の痛みは軽減されて、趣味や旅行、スポーツなどを楽しむ積極的な人生を送ることが可能になります。加齢に伴い、大腿(ふともも)の筋力が低下して膝の不安定性が生じ、関節が擦れることにより、関節軟骨がすり減り、関節が変形します。また骨折や靱帯損傷、半月板断裂などのケガの後遺症として発症することもあります。
筋力が低下し、膝に不安定性が高まると、骨と骨がぶつかりやすくなり、軟骨に傷が付きます。関節に摩擦が生じやすくなり関節に炎症(充血や腫れ)が生じる頻度が増えてきます。
これを放置すると関節液に水分が増し、粘稠性が低下してさらに摩擦が大きくなります。いわゆる「水が貯まる」という症状が現れます。「靴擦れ」や「やけど」の時と同じで、症状が軽いうちは赤く炎症を起こすだけですが、症状が重くなると、水ぶくれができる様に関節の中にも水分が溜まってしまうのです。
この状態を放っておくと、膝の劣化に拍車がかかり、膝が変形して、痛みが慢性化します。
解消
正常に戻す
劣化を予防
●注射
人工の「ヒアルロン酸」を注射して、関節内のぬめりを補います。ただし、約1週間で身体に吸収されるので、週に一度の注射を3~5回行います。つまり、約1ヵ月間、関節の摩擦を(強制的に)減少させて、その間に充血を取るのです。
※保険の都合上、続けて5回まで行えますが、その後は1ヵ月中止して、痛みが出てきた時に注射を行います。
「注射をする」「水を抜く」がクセになるのウソ!!
みなさん、引き戸の滑りが悪くなったときに蝋(ロウ)を塗りませんか?悪くなった引き戸に蝋を塗ると一時的にすべりが良くなりますが、使用していると、またすべりが悪くなり、蝋をぬり足さないといけなくなります。その状況と同じで、注射や水抜きはクセになるわけではありません。定期的にメンテナンスが必要なのです!!
●何度も水が溜まる原因は、「注射」ではありません。
●炎症が治まらない限り、水は溜るのです。
当院は注射をする際に出来るだけ痛くなくする工夫を凝らすことにより、「痛くない」「あまり痛くないね」と多くの声を頂いております。注射が苦手な方も、是非、ご相談ください。
●リハビリ(理学療法)
膝関節治療の知識が豊富な理学療法士が関節を動かし、ストレスがかかりにくい「膝の動かし方」・「力の入れ方」の練習を行ったり、ストレッチ運動や衰えた太ももの筋力増強をはかります。また、膝の痛みは、痛みのある部位だけでなく全身に影響をきたすため、他の関節の不具合も治療していきながら、歩行状態の改善を目指します。
●装具
装具の目的は膝にかかる負担を軽くすることと、関節を安定化させることです。